前例踏襲型の課題解決に囚われている企業は淘汰される

【第2回】成長できない中小企業の採用活動は9割が「運任せ」

資金とブランド力のある大企業と同じ方法で、中小企業が自社に優秀な人材を確保するのは困難です。本コラムでは中小企業の採用活動に見受けられる問題点を紹介します。

中小企業が大企業と同じ対策をとってもうまくいくはずがない



人材を定着させるために多くの企業がさまざまな策を講じています。 特に大企業においては、その潤沢な資金を背景に、コストをかけて外部の求人会社に採用を委託し、他社より優秀な人材をいち早く獲得する動きをとったり、あるいは福利厚生施設を充実させて採用の際にアピールしたり……。

これだけ見てすでに分かるとおり、資金力のない中小企業においては、大企業と同じ方法をとることはほぼ不可能ですし、仮に無理をしてトライしても、ブランド力のない中小企業は、大企業を上回る魅力を発信しないとうまくいかないでしょう。

そもそも中小企業の場合、人材採用にかけるコストは大企業と比較して低くならざるを得ませんし、ブランド力もありません。大企業と同じようなことをしていても、勝てるわけがないのです。

大企業のような資金力もブランド力もないのであれば、どのようにして採用するか。 中小企業の魅力とは、「鶏口牛後」のことわざのとおり、少数精鋭で運営しているために責任のある仕事を任せてもらえ、仕事の幅も必然的に広くなることです。入社してすぐにやりがいのある仕事ができるのです。しかし逆に、このメリットがデメリットになることもあります。

なぜなら、大企業においては新人の育成に十分な時間をかけて行っていますが、中小企業の場合は新人の育成に時間をかけられないがゆえに、即戦力が求められるからです。入社しても即戦力として活躍できなければ、中小企業のメリットは一転してデメリットになるのです。

ブランド力と資金力が足りず「運任せ」の採用活動が続いている



人材採用をする際に、「忙しいからとにかく人が欲しい」という動機で募集するケースが多いのではないでしょうか。それは正しいのですが、どのような人材が必要かを考えずに採用してしまうと、結果的に成功するかどうかは、運に左右されるところが大きくなり、効率的とはいえません。先ほど説明したようにどのような人材が欲しいのか、時間があればいろいろな人と会って吟味することもできるのかもしれませんが、忙しい社長にそんな時間はないでしょう。

例えば、プロ野球のドラフト会議を思い浮かべてください。各チームのマネジメント層 は、現在のチームの戦力を走攻守それぞれのテーマで分析をし、何が足りていて何が足り ていないのかを整理し、そのうえで必要な人材を指名しています。

最も必要なのは投手なのか野手なのか、投手だとしたら先発ローテーションを担うこと のできる選手なのかクローザーなのか、野手であれば長打力のある選手なのか守備のうま い選手なのか……。チームによって状況はまったく異なりますので、結果的に指名する選 手も異なってくるのです。

限られた人的リソースのなかで成果を上げ続けるためには、人材採用の段階から「どん な人材が欲しいか」をはっきりさせておくべきです。自社にとって「良い人材」の定義を 不明確にしたまま採用を続けていても効率が悪いだけでなく、採用された人材にとっても 良い結果には結びつかなくなってしまいます。

採用活動の目的が「欲しい人材の獲得」ではなく「単なる人集め」になっている



採用サイトや求人広告に掲載したり、合同会社説明会に出展しているのに、思うようには人が集まらない……悩んだ結果、サイトや広告の掲載回数を増やしたり、目立つように掲載サイズを大きくしようとする方が多いと思います。このように採用にはコストをかけないと、人材獲得競争を勝ち抜くことができないと考えても無理はありません。

しかし、中小企業がかけられるコストには限界があります。 大手のようなブランド力があれば求職者のほうから集まってきてくれますが、中小企業はそうはいきません。求職者のほうに自ら寄り添ってその企業の良さ、社長の目指す企業像などをしっかり伝えて、思いを共有する努力が必要になってきます。社長が自らの時間をそこに割かなければなりません。

採用を魚釣りに例えるのは無礼かもしれませんが、魚釣りが得意な人というのはどのあたりに狙っている魚がいるかを予測して、そこで釣りをします。狙っている魚がいなければ、次にどこに行けば狙っている魚がいるかを予測して移動します。つまり、魚釣りが得意な人というのは魚がいる場所を探すのが得意な人といえるのではないでしょうか。

採用活動も同様で、社長が求めている人材に、どういうところに行けば出会うことがで きるかを予測しなければなりません。大学なのか、専門学校なのか、中途採用市場なのか、主婦や子育て中の労働者なのか、なかには自衛隊OBを積極的に採用しているところもあります。

ある建設業の社長は、少年院を出てきた方を積極的に採用しています。その社長は「少年院に入る人は素直で根性はあるが、その使い方を間違って罪を犯しただけだから、しっ かり愛情込めて育てれば優秀な人材になるんだ」と笑っておっしゃっていました。

このようにどのような人材が欲しいのかを明確にして、その人材にどういった場所で出会えるのかを考えて動かないと、単なる人集めのような採用活動になりかねないのです。

こちらのコンテンツは書籍 『経営者が知らない 人材不足解消法』から抜粋しております。

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こちらのコンテンツは書籍『経営者が知らない 人材不足解消法』から抜粋しております。

書籍名:経営者が知らない 人材不足解消法

著者:山本 法史

社会保険労務士法人山本労務統括代表社員。 特定社会保険労務士。 専門分野は「企業の残業代対策」「効率的な人事制度・組織制度の構築」「社会保険料と残業代の予算化」とそれに対応した「賃金制度」「労働時間管理制度」の立案及び運用。

500を超える企業、団体の顧問を務め、のべ1000社以上の相談を受けてきた、20年以上の実績を誇る人事労務のエキスパート。著書に『社長!残業手当の悩みはこれで解決!』(現代書林)がある。

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