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見込み客ニーズに合致したコンテンツ作成で 問い合わせ数を3倍に伸ばす

専門サービスD社/20名(非上場企業)

ニッチ領域で、企業向けの専門サービスを行っているD社の事例です。

D社のサービスは、企業向けのバックエンドサポートです。

しかし、そもそもそのようなサービスがあることを知らない企業が多く、またD社自体も小さなベンチャー企業で、営業や広告宣伝にリソースを割けない状況でした。ただ、D社のサービスの質は高く、見込み客に正確に情報を伝えることができれば、デジタルマーケティングは成功するとの見込みがありました。

本事例では、コンテンツマーケティングという手法を使い、認知度を高め、問い合わせ数を伸ばした取り組みを紹介します。


【課 題】

D社の事業はニッチ事業であり、見込み客がどこにいるのかの特定が難しく、プッシュ営業の限界に突き当たっていました。これまで、テレアポ代行会社に業務を依頼したり、見込みがあると思われる企業にDM を送付したり、といったひととおりのマーケティング施策は実行していましたが、どれも成果にはつながっていませんでした。売上拡大のためには、社長の人脈と、取引先による紹介に頼った新規開拓から脱却しな ければならないというのが、D社の抱えた課題でした。

そのためにD社が目をつけたのが、デジタルマーケティングです。プッシュ型のアナログマーケティングの試みがいずれもついえたD社にとって、デジタルマーケティングは最後の頼みの綱でした。

しかし、D社自身での取り組みは、あまりうまくいっていませんでした。まず、D社の事業はニッチであるために、そのサービスをインターネット検索で探しているという顕在ニーズがほとんどありませんでした。

そもそも、そのような事業があることすら、一般的には知られていなかったのです。そのため、D社のサービスを必要とするであろう見込み客も、インターネットで検索を行うことがほとんどありません。

競合企業はわずかながら存在するものの、あまりにも市場が小さいために、D社も含めて、ウェブ上での存在感はほぼゼロでした。企業ウェブサイトはありましたが、情報量が少ないために、差別化もできていません。

D社のサービス品質は高かったのですが、それを的確に伝えることができていなかったのです。それはウェブ上のことだけではありません。実際に営業に赴いても、見込み客にこの分野の知識がほとんどないために、D社の価値を十分に伝えることができていませんでした。マーケティングでも営業でも、D社は袋小路に入り込んでいて、どのような方向に進めばよいのか、答えが見えずに悩んでいる状態でした。


【方 向 性】

D社のサービスそのもので検索をするような顕在ニーズを持った見込み客がほとんど存在しない、との話をうかがったため、まずは、どのような実態であるか現状調査を行いました。その結果、やはり関連する検索ワードの月間検索回数は、わずか10回しかありませんでした。

D社のサービスそのものにニーズがないわけではないことは分かっていましたが、サービスの存在が知られていないために、見込み客はその領域で専門サービスを提供している企業があることを、まったく認知していない状況でした。また、たとえなんとかして見込み客をウェブサイトに呼び込んできたとしても、ウェブサイトでD社の専門性を伝えることは難しいと思われました。

なぜならば、そもそもD社の事業領域自体が新しいもので、見込み客はその領域に対して十分な知見を持っていないため、ウェブサイトを見てもD社の価値や専門性に気づかないと考えられたからです。

D社のサービスには、ニーズは確かにあります。しかし、まだそれに取り組んだ企業の数が多くないため、一般に認識すらされていない状況でした。ですから、D社のウェブサイトを見ても、書かれていることが専門的であり、的を射ている内容なのかどうか判断できる見込み客がほとんどいなかったのです。

この状況では、せっかくデジタルマーケティングを行ってウェブサイトに集客しても、サービスを発注する段階に至るほどの価値を伝えることはできません。顕在ニーズでの検索がほとんどないこと、見込み客に十分な知識がないためにD社の価値や専門性を伝えられないこと。この2つが、D社のデジタルマーケティングに大きな課題としてのしかかっていました。

これらを解決する手段として提案したのが、コンテンツマーケティングという手段です。コンテンツマーケティングとは、見込み客が興味・関心を持っている情報を提供することにより、見込み客への啓蒙と購買意欲の育成を図りながら、売り手と買い手の関係強化を図るマーケティング手法のことです。

見込み客に知識をスムーズに得てもらうことで、最終的には、商品・サービスの必要性やその価値を理解してもらうことができます。このコンテンツマーケティングは、検索エンジンの自然検索を利用して行うのが一般的です。潜在的なニーズのある見込み客に広くリーチしていく必要があるため、広告で集客する となると莫大な費用がかかってしまうからです。自然検索で集客ができる仕組みづくりを行うことができれば、最小限の費用で、見込み客に自社のさまざまな知識やサービスの必要性を認識してもらうことが可能になります。

しかし、コンテンツマーケティングも万能というわけではありません。商品やサービスを直接的に売り込む活動に比べると、コンテンツマーケティングは労力がかかるので、一定の成果が出ていても、コストパフォーマンスが悪いと見なされることがあります。

なかには、アクセス数は増えたものの、まったく商談につながらないケースもあり、失敗事例も多いのです。これらの失敗の要因は、コンテンツマーケティングを実施していく過程で、労力を削減するための分析が甘かったり、せっかく獲得したリードの購買意欲を育成する力が不十分であったりするからだと考えられます。

コンテンツマーケティングに取り組む場合には、どれだけのコストでどれだけの成果を得たいのか、数値を明確化してから取り組むべきでしょう。

【デジタルマーケティングの実施】

〈見込み客が欲しがる情報はなんなのか、コンテンツマップを作成〉

コンテンツマーケティングは、どれだけ充実したコンテンツをそろえられるかが勝負です。そのコンテンツの内容も、ただ漫然と作成するのではなく、リードを獲得するためにはどのような情報が必要かを戦略的に考える必要があります。特にD社のように、見込み客に業界に対する認知が欠けている場合は、なにがよいサービスなのかを分かってもらうために基礎知識の提供から始めなければなりません。

とはいえ、企業のメッセージを一方的に伝えるのではなく、見込み客が欲しがって検索している情報を提供するという前提も忘れてはなりません。そこで、まずは、D社の見込み客がどんな情報を欲しがっているのか、全体像を洗い出すところから開始しました。

最初に、見込み客の購買ステップを整理しました。

購買ステップとは、企業が社内の課題に気づいてから、その課題を解決するために商品・サービスを導入するまでのプロセスのことです。D社の場合は、次のように整理しました。


⑴ 認知

見込み客がD社の提供サービスを認知する段階です。D社のサービスは今までにないサービスであり、まずは、サービスの存在自体を認知してもらう必要があります。同時に、そのサービスが自社の課題を解決できることを知ってもらうことも必要です。

⑵ 基本計画策定

見込み客が自社の課題解決のために本格的に動き始める段階です。この段階では、見込み客は、自社の課題はどのような方法で解決できるのか、調査したり検討したりします。商品・サービスを購入することは決まっておらず、社内での取り組みによって解決することも選択肢に残っています。

D社の場合は、サービスの存在を認知されていなかったので、この段階でD社のことを知らなければ、課題解決策の候補に挙がることはありません。見込み客との接点は、この一つ前の「認知」の段階から作っておき、見込み客が基本計画段階に入ったら、より具体的な情報を伝達していくことで、見込み客の課題解決策の候補として入れてもらうことが必要になります。例えば、他社のサービスとの違いなどは、この段階で訴求していくことになります。

⑶ 比較検討

どんな方法・どのくらいの予算で課題を解決するか、社内で方針が決まり、見込み客が取引先としてふさわしい企業を選定し始める段階です。D社の場合は、新しいサービスのため、「信頼性」の点で疑われてしまう危険性があります。そのため、実績や事例などをしっかりと打ち出していき、信頼感を醸成することが重要になります。

⑷ 購入

取引先を決定する直前の段階です。見込み客が、社内で最終承認を得る段階です。見込み客はできる限り分かりやすく社内に説明する必要があります。D社の認知度は高くないため、社内承認段階で、「知らない」ということがハードルになる可能性があります。そのため、詳しい会社情報や同業種の導入事例など、安心材料を提供することが重要になります。また、費用対効果に関する分かりやすい資料があれば、社内の承認を得やすくなります。

D社は、マーケティングをこれから開始する段階であったため、シンプルに4段階に整理をしました。すでにマーケティング活動を実施している企業で、マーケティング活動の精度を高めることが目標の場合には、もっと細かく購買ステップを分類することもあります。このように、BtoB企業が取引先を決定するためには、さまざまな段階があり、期間も長期になる傾向があります。

そして、BtoBデジタルマーケティングにおいては、その段階ごとに、見込み客となる企業が、どのような情報を欲しているかを検討し、ニーズごとにどのようなコンテンツを用意するのがふさわしいかを考えなければなりません。

また、リード獲得を行うために、コンテンツにたどり着いた見込み客を、どのようなアクションに誘導していくかも整理していきました。このようにして整理したコンテンツマップが図表18です。

例えば、認知の段階においては「業界や海外の最新動向」「課題解決のための方法論」を提示し、「業界動向調査レポート」や「課題解決マニュアル」などのダウンロードを促進します。次に、見込み客企業が基本計画を策定している段階であれば、「課題解決事例」や「代替サービスとの比較」などを提示し、「ガイドブック」や「事例集」などのダウンロードと引き換えに、メールアドレスを獲得していくというような形です。

このように、見込み客の購買ステップごとに、「どのようなコンテンツ」を配置し、「どのようなアクション」へ誘導していくのかを整理していくことで、無駄なコンテンツの作成や、コンテンツの漏れを防ぎ、効率的なコンテンツ作成計画を立案することができるのです。

書籍名:「分析」で成果を最大化するBtoBビジネスのデジタルマーケティング

著者:中田 義将 (株式会社リーディング・ソリューション)

1978年生まれ。株式会社リーディング・ソリューション代表取締役。 早稲田大学政治経済学部卒業後、大手経営コンサルティング会社入社。グループ会社役員を経て、2004年株式会社イングロス(現・株式会社リーディング・ソリューション)を設立。B toB企業を中心に、上場企業からスタートアップ期のベンチャー企業まで、業種・規模にかかわらず幅広くマーケティングを支援している。上場企業・有名企業を中心に、多数のコンサルティング実績、マーケティング支援実績がある。

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