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【デジタルマーケティングの実施③】

〈見込み客の課題を解決することを目的としたページを作成〉

バナー広告を中心にマーケティングキャンペーンを実施していく場合に、守らなければならないことがあります。それは、商品の宣伝をしないことです。

広告費用を払ってバナー広告を出稿しているのに、商品の宣伝をしてはならないというのは理不尽に聞こえるかもしれませんが、これはBtoBマーケティングの特性の一つです。BtoCであれば、突然現れたバナー広告で商品の宣伝をされ、衝動買いする人もいるかもしれません。

しかし、BtoBでは、会社として商品購入を行うタイミングでなければ、その商品について問い合わせをすることはほとんどないのです。BtoBでは、商品の問い合わせをするのは、組織として購買行動を行っているときだけであり、購買行動段階にないユーザーに対してどれだけ魅力的に商品を訴求しても、問い合わせには至らないのです。


このことは、自分自身をユーザーの立場においてみればさらに明白になります。バナー広告を出稿するのは、業界のニュースサイトなどになりますが、ニュースを読んでいるときに、いきなり商品広告を見せられ、それをクリックし、かつ、その勢いで商品について問い合わせをするイメージは持てないでしょう。せいぜい、面白い商品だな、と感心する程度ではないでしょうか。

BtoBの場合には、見込み客がその商品を欲しいと考えていても、一人で決定できるわけではないので、衝動で行動を起こすことはありません。また、課題を解決するための商品を探していたとしても、あくまでも冷静に情報を収集して検討してからの問い合わせになります。

ですから、BtoBの場合には、ユーザーが自ら商品を探し始めるまでは、商品情報を出さないのが基本ルールなのです。しかし、世の中のバナー広告の多くは、直接的に商品宣伝を行ってしまっていることが 非常に多く、それがバナー広告の費用対効果を低下させる原因になっています。バナー広告で成果を出しているBtoB企業の事例をほとんど聞かないのは、こういったそもそもの間違いが根底にあるからでしょう。


では、どうすればよいのでしょうか。

バナー広告の内容は、あくまでも情報の提供にとどめるのです。

ユーザーが抱えている課題の解決策がリンク先にあることを示せば、情報を収集しているユーザーはクリックしてウェブサイトに飛んできてくれます。そしてウェブサイトでは、商品のアピールをするのではなく、ユーザーにとって有用な情報を提供することに徹して、関連資料をダウンロードしてもらうことをゴールにします。

C社では、まず見込み客が一般的に抱えている課題を整理しました。そのうち、自社の商品の提供によって解決できる課題を7つに絞り込んで、一つずつ順番に、マーケティング用のキャンペーンページを作成することにしました。

例えば、情報漏洩を水際で防ぐセキュリティソフトのマーケティングでは、「業界ナンバーワンのセキュリティソフトウエア」などと、商品を前面に出した広告は行わず、「企業の機密情報はいかにして盗まれるか?」という広告バナーとそれに対応したキャンペーンページを作っていくというイメージです。すべてのキャンペーンページを同時に作成することは不可能ですから、どのテーマからキャンペーンページの作成に取りかかっていけば最もマーケティング効果が高まるのかを判定する必要が出てきます。

このとき、判断軸は3つあります。

1つ目は、営業活動上の重点度合いです。企業が力を入れたいテーマがどれであるのかは、最も重要な判断軸になります。

2つ目は、他社との差別化度合いです。ウェブ上には、競合企業の商品や情報も、当然存在しています。今や見込み客は、ウェブ上で入手できる情報はすべて手に入れて、フラットに比較するため、他社の商品より劣っていると、問い合わせを獲得することができません。そのため、キャンペーンを実施してリードを獲得しても、商品力の段階で他社との差別化=競争優位性がなければ、いくらリードを獲得しても最終成果にはなりません。まずは、差別化につながる商品から優先的に力を入れるのが鉄則です。

3つ目は、リーチ可能ユーザー数です。バナー広告を実施するといっても無作為に広告出稿を行っていくわけではありません。キャンペーンテーマに興味を持っているユーザーや、テーマに関連するウェブページに広告を出稿していくことで、より適切なターゲットに絞っていきます。

今や、インターネット広告では、キーワードを指定するだけで、そのキーワードに興味を持っているユーザーや、キーワードに関連するページのみに広告を出稿することができるのです。そして、広告出稿条件を指定すると、その条件でどのくらいのユーザーに広告を出せるか、簡単に試算することも可能です。キャンペーンごとにリーチ可能ユーザー数を事前に把握することができるのです。広告を実施するのであれば、対象者が多いほうが成果は出やすくなります。

キャンペーンの優先順位は、三つの判断軸をもとに決めていくわけですが、C社の事例では、視覚的に判断しやすいよう、図表15のような表に整理し、どこから手をつけるのがよいかを検討しました。縦軸は差別化の度合いで、横軸はテーマの重点度合い、そしてリーチ可能ユーザー数を、それぞれのテーマに付記しました。最優先で作成すべきは、重点テーマであり差別化も可能なキャンペーンAです。リーチ可能ユーザー数は少なめですので、ほかのキャンペーンも同時に進めていく必要がありますが、これを優先順位❶とします。

 

次に取り組むべきなのはどれでしょうか。

キャンペーンBは、営業活動上の重点テーマではあるものの、他社との差別化があまりできず、リーチ可能ユーザー数も少ないため、大きな成果が見込めません。そのためあと回しにすることにします。

そこで、重点度合いは落ちますが、他社との差別化ができていて、リーチ可能ユーザー数も多いキャンペーンCとキャンペーンEに目を向けます。キャンペーンEのほうが、差別化の度合いも、リーチ可能ユーザー数も多いのですが、C社にとってはあまり重要な取り組みではありませんでした。そこで、キャンペーンCを優先順位❷として、キャンペーンEを優先順位❸としました。

このような形で、キャンペーンに優先順位をつけ、順次キャンペーン展開を進めていきました。

書籍名:「分析」で成果を最大化するBtoBビジネスのデジタルマーケティング

著者:中田 義将 (株式会社リーディング・ソリューション)

1978年生まれ。株式会社リーディング・ソリューション代表取締役。 早稲田大学政治経済学部卒業後、大手経営コンサルティング会社入社。グループ会社役員を経て、2004年株式会社イングロス(現・株式会社リーディング・ソリューション)を設立。B toB企業を中心に、上場企業からスタートアップ期のベンチャー企業まで、業種・規模にかかわらず幅広くマーケティングを支援している。上場企業・有名企業を中心に、多数のコンサルティング実績、マーケティング支援実績がある。

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