特殊ウレタンは床の沈下を修正するだけの素材ではない。 企業、そして日本の救世主となる可能性を秘めている。

床の傾きを直したいけれど、修繕期間中も操業を止めたくない――。 そんな要望に応える、革新的工法のポイントを書籍で公開した理由とは。

著者インタビュー

Q. なぜこのタイミングで改訂版出版を決めたのでしょうか。

 もともと『不良品が多い工場の原因は地盤が9割』を出版したきっかけは、2011年に起こった東日本大震災でした。地震による地盤沈下や液状化の影響で多くの工場や倉庫・店舗の床が傾き、首都圏を中心に全国の経営者から修正工事の問合せが相次いだのです。そこで地盤沈下が経営に及ぼす影響や、傾いた床を修正する工法について書籍をまとめたところ、読者から非常に多くの反響を得られました。

 前回の出版で十分に認知が広まっただろうという手応えはあったのですが、今年(2016年)に入って熊本地震が発生すると、再び当社に床の傾きに関する疑問や不安の声が殺到しました。改訂前の出版時にも多くの反響をいただいていたのですが、5年前と同じ内容の問合せが今年も非常に多かったのです。

事務所をはじめ工場や倉庫・店舗の床の傾きに悩み、修正方法を知らない方がまだまだたくさんいる。しかも、日本の各地で地震は頻発しており、今後いつまた大きな震災が起こるかわからない。そんな状況だからこそ、より多くの方に床の沈下を修正する効果的な工法について伝えなければならないと思い、改訂版を出すことを決めました。

改訂版には、前回の出版後に行った施工の事例などを加筆しています。最新の情報を盛り込み、私たちの技術が常に進化していることを伝えつつ、床が沈下しても直す方法は必ず見つかる、安心してほしいというメッセージを込めました。

Q. 「アップコン工法」の特徴とメリットについてお聞かせください

端的に言えば、圧倒的な工期の短さです。

床の傾きは、設備や機械の正常な稼働を大きく阻害したり、従業員の健康を害したりするため、一見してさほど問題がなかったとしても早急に修正しないと会社の業績を著しく損なう恐れがあります。

 たとえば工場の機械が頻繁に異常動作や停止を繰り返すようになると、不良品率が上昇したり、生産数が低下したりします。機械自体に故障がなければ、稼働時間を増やすなどの措置をとることも可能ですが、それではエネルギーコストや人件費が余分にかかるうえに、根本的な解決にはなりません。

とはいえ床の傾きに対して、修正する工事の発注を即断できる経営者は実は多くありません。なぜなら、施工会社が工事を行う間は工場の操業を止めなければならないと考えており、操業停止中の機会損失が会社にとって大きな痛手になることを懸念しているからです。

一般的な施工会社が床の傾きを修正する工法には、コンクリート打替え工法やジャッキアップ工法など様々なものがあります。しかしこれらの工法はいずれも据付機械などをいったん工場外に搬出し、床の修正を終えたら再度搬入する工程が必要です。すべての工程を終えるまでに、一般住宅程度の面積でも10日以上はかかりますから、大規模な工場の場合はさらに膨大な時間を要します。

もちろん工事期間中の工場の生産数はゼロ、完了後に事業が元通りになる保証もありません。また、工場が止まっている間に取引が他社に流れてしまう可能性もあります。このように工事期間中の休業が業績に及ぼす影響を考えると、経営者は工事の発注に対して慎重にならざるを得ないのです。

そのため私の会社でも、床の修正を依頼されるお客様からは、とにかく操業を止めたくないと強く要望されます。

そこで私の会社では、独自開発した硬質発泡ウレタン樹脂という特別な素材を使って修正工事を行います。床下に注入した樹脂が膨らんで固まる、という工法の特性上、施設内の設備や什器を搬出したりする必要がなく、工期も短く操業を止めることもありません。また、工事に伴う騒音や振動が非常に小さいこと、既存の建物を壊すことなく修正し、環境に優しい完全ノンフロン材のウレタン樹脂を使っていることなども、「アップコン工法」がお客様に評価していただいているポイントです。

Q. 今後の展望について、ひと言お願いします。

 床の歪みに気づいていても、稼動が止まってしまうことを恐れて修理をしない経営者は非常に多くいます。しかし、ウレタンを使ったアップコン工法であれば、その心配はありません。実際に、施工後に感激していただけるお客様は多く、泣きながら手を握られ「ありがとう」とお礼を言っていただいたこともありました。また別の会社の方からは、今まではキャスター付きの椅子が自然と滑り出してしまっていたのに、施工後の椅子の様子を見て「あれ、動かないなあ」と照れ隠しで感謝されたこともあります。

 このように「アップコン工法」で救えるお客様は、まだまだ数多くいるはずです。日本は地震大国であることに加えて、地盤沈下が起こりやすい街づくりをしてきました。たとえば、工業用水として地下水を過剰に汲み上げたことによる地盤の体積減少。また、山を切り拓いたり、田畑を埋め立てたりして土地を拡大したことによる、経年での地盤の劣化。こうした地盤の上に建築物を建てて経営している限り、あらゆる企業がいつ地盤沈下の被害を受けるかわからないのです。 

 私の会社は、ウレタンを使った単なる施工会社ではありません。常に素材を改良・進化させ続けることで、産官学連携の研究事業で農業用水路トンネルの機能回復技術を考案したり、土壌改良剤としてのウレタン活用なども行ってきました。今後もウレタンの可能性を探り続け、新しい施工・技術を追求し続けて広く社会に貢献できる事業を展開していきたいと考えています。

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ウレタン製土壌改良材や農業用水路トンネル機能回復を行う「FRT工法」など社会貢献性の高い製品・技術を生み出している。

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