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民泊元年!日本における民泊はどこまで解禁されるのか

著者:GMCブランド戦略室

2016年1月、大田区の国家戦略特区条例が施行されました。
大田区の「民泊」は建築基準法によって「ホテル・旅館」の建築が可能な用途地域にかぎられていますが、北西部の住宅エリアを除けば区内の大半が該当します。また、民泊条例では事前に近隣住民に周知すること、必要に応じて区職員による立ち入り調査ができることなども規定されました。

しかし、民泊条例によって認められるのは「6泊7日以上」の滞在です。「民泊」の利用は原則として訪日外国人となっていますが、空港近くのエリアに6泊以上も泊まり続けるニーズがどれほどあるのか、「民泊解禁」の効果を疑問視する声も少なからずあるようです。
ところが、「6泊7日以上」ルールや旅館業法を無視した違法な民泊斡旋企業の出現などで、旅館業にとっては大きな痛手となることが予想されます。
元々のコストが旅館業と民泊ではケタ違いで、防災・衛生・安全面で一定条件をクリアしないと許可を受けられない旅館業が、民泊に不満を持つのは無理もありません。
外国人観光客が急増している中で宿泊施設の圧倒的な不足は以前よりささやかれていたため、民泊ビジネスによって宿泊施設の不足を補いたい所ではありますが、
旅館業の基準をクリアするのは容易ではなく、その規制を旅館業の方々の理解を得ながらどこまで緩和できるのかは、難しい課題となっています。

 

民泊が抱えるさまざまな問題点



また、旅館業からの批判だけでなく、民泊は依然として問題点を多く抱えています。
民泊と称して空き家・空き部屋を借り、犯罪行為が行われる可能性も否定できません。
顔の見えないインターネットでの利用だけに、誰が使うかも何が起こるかも予測の範囲内に収まらないのが民泊ビジネスです。
賃貸物件は、所有者が転貸を許していない限り、居住用として賃貸借契約されるのが普通で、転貸トラブルもよく聞く話です。
分譲物件を賃貸することは禁止されていませんが、民泊の場合は賃貸ですらなく、賃借人よりもマナー低下が心配されます。

しかもマンションの共用部分は、区分所有者の共有持分ですから、民泊の利用者に使われることに抵抗ある人がいて当然です。
高級タワーマンションの一室を購入し、豪華な部屋と設備の提供で運用しているケースもあるようで、高所得層のモラルを信じて購入した所有者から不満が出ています。
何か起きたときはもちろん、何も起きていなくても、周辺住民からのクレームや通報も予想できますし、そうなると所有者の管理責任が問われかねません。
ましてや、貸した部屋で不法行為が行われたり、不法滞在に使われていたりなど、「貸しただけなので自分には関係ない」で済むかどうかです。 日本における「ルール」を知らずに始めてしまうと、思いがけず法律に違反している可能性があります。まだまだ規制が強い日本の民泊ビジネスへの参入を考えている不動産オーナーの方々は、ルールについて学んだうえで、慎重に始める必要がありそうです。

しかし、今後民泊については規制が少しずつ緩和されていく見通しです。大田区に続き大阪市でも民泊条例が可決され、施行の見通しが立っています。 市にとっても、民泊が許可されれば観光客が増え、経済の活性化の可能性を大きくするためメリットは大きいといえます。
また国としても、古くなった旅館業法の改正などを視野にいれ動いていく模様です。

今年大注目を浴びている民泊は、益々盛り上がりを見せていくのではないでしょうか。

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